架神恭介(かがみ きょうすけ)さんと至道流星(しどう りゅうせい)さんによる共著、『リアル人生ゲーム完全攻略本』を読みました。
架神恭介さんは、作家、フリーライター、マンガ原作者として活躍していて、著書に『よいこの君主論』『仁義なきキリスト教史』『戦闘破壊学園ダンゲロス』などがあります。
至道流星さんは、会社経営者、投資家、作家、小説家として活躍していて、著書に『大日本サムライガール』『羽月莉音の帝国』などがあります 。
本の構成と内容
本書は、人生をゲームに見立てた「説明書」パートと「攻略本」パートの二部で構成。
前半の「説明書」パート(約60ページ)は架神恭介さんが担当してます。
神A(プロデューサー)と神B(神Aの上司&部長)のやり取りで、世界観や神Aの開発したゲーム「人生」についての説明がされていて、神Aの部下で告知担当としてガブリエルも登場してます(キリスト教で神の意志を伝える役の天使です)。
ゲームの最初にあるチュートリアル(ゲーム説明)パートが、「学生」であるという点にちょっと笑ってしまいました。
「なるほど。学生の間に『人生』についてのルールを教え込まれているのか・・・」と。
後半の「攻略本」パート(約150ページ)は至道流星さんが担当してます。
攻略本になぞらえて、現実社会の制度や問題点などについて言及してます。
ポイント
1)お金について
2)ライフイベント
3)ビックイベント
お金について
「お金」は生きているだけで支払う義務が発生し、その義務によって人間が人間を支配するようになった。
元々、神が人間に「お金」として用意していたのは「金」や「銀」などの貴金属だったが、人間が勝手に「お金」を開発して好き勝手に広げるようになったという説明には納得。確かにそうかも。
そして「信用創造」を使うことにより、現物のお金よりも多くのお金が世界中に広まったが、その「信用創造」の逆流によって「○○ショック」などの経済的クラッシュも発生するように。
ライフイベント
本書では、人生の中でのライフイベントについての現状や意見が述べられていた。
結婚
「結婚は人生最大の契約行為である」
日本35.6%、アメリカ50%、ロシア80%と各国との離婚率の比較も。
ロシアの80%って・・・
子育て
子育てコストはピンからキリまであるが、平均すれば1人当たり2,500万円ほど。
ここ20年ほど年々手取り額が減っているので、そりゃ少子高齢化にもなるよな、と。
保険
民間保険は平時のみ有効で、ハイパーインフレなどには耐えられないので、過度な期待は禁物。
国の医療保険(健康保険)は対応可能なので必ず加入しておくこと。
相続
「相続で揉めるのは金持ちだけ」と思うかもしれないけど、実際に相続関係で裁判になっているのは、相続金額1,000万円以下で約32%、5,000万円以下で75%と大半が5,000万円以下とのこと。
お金持ちは事前に相続対策をしていたり、遺言書など法的な対応をしっかりしているので、意外と揉めないのかも。
ビックイベント
読んで一番気になったのは「財政破綻」
本書では「発生確率は100%」という(怖すぎ・・・)。
分岐ルートは下記の4つ。
1)金利急騰
金利が急上昇することにより、国債の金利を支払うことができなくなり破綻する。
(正確には金利分を含めた膨大な金額の借換国債の買い手がいなくなり、国債を償還できなくなること)
この発生確率は50%と試算。
すでに金利を上げようとしてる現実が怖すぎる・・・
金利が上がると既存の国債も価値が下がるため、それを保有している日銀や銀行などに会計上の損失が発生する(金利上昇=国際価格の下落)。
そうすると銀行の財務体制強化のため、新規貸し出しの抑制など企業にも大きな影響を与える。
これが発生すると年金受給者に大きなダメージ。
働いている現役世代はインフレと共に給料も増えるので、なんとかやっていけるかもとのこと。
2)金融抑圧
インフレに加えて政府が金利の抑制を行うことで、お金の実質的価値を意図的に減らして国債の償還負担を減らす手法。
インフレが年5%なのに、金利が1%なら、毎年4%分の現金価値が減っていく。
財政破綻かどうか判断が難しい面もあるが、実質的な破綻としてカウント。
3)ハイパーインフレ
第1次大戦後のドイツやジンバブエなどで発生。
教科書でドイツの子供がお金を積んで遊んでいる写真を見たことがあるかもしれない。
ドイツではパンを買うのにリアカーでお金を運ぶ必要があり、店に向かっている途中で値段が上がっていたという。
この発生確率は5%と試算。
極端なモノ不足が発端となるため、国内での生産能力に問題がなければ発生する可能性は低い。
発生するとしたら、財政破綻している最中に大地震などの天災が重なる場合など。
ほんと、そんな状態になったら「世も末だ」と思わざる得ないな・・・
4)新たなバブルの発生による隠ぺい
巨大イベント(金融危機や戦争など)の発生により、目先の危機を回避するために政府が意図的にバブルを発生させ、問題を先送りする行為。
戦争は自国が巻き込まれる戦争のことのようだけど、金融危機と戦争って現代社会で発生しているので、本当に現実の方が恐ろしいなと感じさせられる。
まとめ
少子高齢化が社会問題になって久しく、政府も少しでも少子化に歯止めをかけようと給料を増やすべく賃上げの推奨などをしている(同時に税金や社会保険料を上げようとしているのは矛盾しているけど・・・)。
ただ本書では「年収の低い層の方が子供の数が多い」という統計上の数値を使って、「所得が増えたからと言って子供が増えるわけではない」という。
確かにその通りだと思う。
個人的には少子化に拍車をかけているのは、「都市部への人口集中」と「生活コストの上昇」、そして「エンタメ環境の充実」があるのではないかと思う。
東京などの都市部に人口が集中することで、住宅価格や家賃などの生活コストが上がって可処分所得が減る。
そして、その残ったお金の中から自分が楽しめることや好きなこと、いわゆる「推し活」などにお金を使うことで生活面での満足が得られ、結婚や子育てなどの現実社会でのイベントに興味がなくなってきているのではないかと思う(将来への不安などもあると思うけど)。
少子高齢化だけでなく、世界金融危機&大恐慌や自然災害(南海トラフ地震、富士山の噴火)の発生率も100%と、日本の将来は明るくなさそう・・・と暗い気分になった1冊でした。
ただ「そういう未来があるかも」と知っておくことで色々と備えることが出来るので、将来に不安を感じている人などに読んでもらいたいなと思いました。


